最終更新:2026年9月/福岡市の公式資料を確認のうえ、看板施工の実務目線で作成
福岡市の場合、自分の店や事務所に自分の名前・店名・事業内容を表示する看板であれば、すべての広告物の面積の合計が10㎡以内なら許可は不要です。ただし禁止地域では5㎡以内になります。
ここで重要なのは「合計」であること。ファサード看板、袖看板、スタンド看板、のぼり旗。すべてを足した面積で判定します。1枚ずつではありません。
看板を出すには行政の許可が必要です。ところが調べていくと、「許可が要らない場合もある」という記述に行き当たります。では、どこまでなら要らないのか。
この線引きを正確に知っておくと、開業準備の段取りが大きく変わります。許可が不要な範囲に収まるなら、申請の手間も手数料も、審査の待ち時間もゼロになるからです。看板の設置は、オープン直前でも間に合うようになります。
この記事では、福岡市の公式資料をもとに、許可が不要になる条件を具体的な数字でお伝えします。あわせて「10㎡とは実際どのくらいの大きさなのか」を実寸で示し、限られた面積の中で目立たせる方法までご案内します。
この記事の内容

結論|福岡市は合計10㎡以内なら許可不要です
福岡市が公開している屋外広告物のQ&Aに、明確に書かれています。
自己の住所または店舗、事業所、営業所、作業場に、自己の名前や店名、商標、事業や営業の内容などを表示する広告物を「自家用広告物」と言います。この自家用広告物を含むすべての広告物の面積の合計が10㎡以内であれば、許可は不要です。
ただし、禁止地域に該当する場所では基準が厳しくなり、合計5㎡以内となります。
| 設置場所 | 許可が不要な面積の上限 |
|---|---|
| 一般の許可地域 | すべての広告物の面積の合計が10㎡以内 |
| 禁止地域 | すべての広告物の面積の合計が5㎡以内 |
まず、自分の物件がどちらの地域かを確認してください
禁止地域かどうかで、使える面積が倍違います。地域の区分は行政が定めた区域図で決まっており、道路1本で変わることもあります。物件の住所を福岡市の都市景観室(092-711-4395)に伝えれば確認できます。
また、都市景観形成地区に指定されているエリアでは、地区ごとの独自基準が加わります。天神や博多駅前、御供所地区などが該当します。
「自家用広告物」とは何か
許可不要の判断で前提になる言葉なので、正確に押さえておきます。
自家用広告物とは、自分の場所に、自分のことを表示する広告物です。福岡市の定義では、自己の住所または店舗・事業所・営業所・作業場に、自己の名前や店名、商標、事業や営業の内容などを表すもの、とされています。
| 自家用広告物にあたる | あたらない | |
|---|---|---|
| 場所 | 自分の店舗・事務所・敷地 | 他人の土地や建物、道路沿いの離れた場所 |
| 内容 | 自分の店名、社名、ロゴ、扱う商品やサービス | 他社の商品広告、他店への案内 |
| 例 | 店の入口に掲げる店名看板、事務所の社名プレート | 自分の敷地に立てた他社の広告看板(貸看板) |
つまり「自分の店に、自分の店の看板を出す」という、ごく普通の状況がこれにあたります。開業される方のほとんどは、この区分に該当します。
自分の敷地でも、他社の広告なら別扱いです
たとえば自分の駐車場に他社の広告看板を設置して掲載料を得る、いわゆる貸看板は自家用広告物ではありません。面積にかかわらず許可が必要になります。「自分の土地だから自由」ではない点にご注意ください。
10㎡は、実際どのくらいの大きさか

「10㎡以内」と言われても、看板の大きさとしてどのくらいなのかピンとこないと思います。実寸で示します。
| 看板のサイズ | 面積 | どんな看板か |
|---|---|---|
| 900mm × 600mm | 0.54㎡ | 事務所の社名プレート、クリニックの案内板 |
| 1,200mm × 900mm | 1.08㎡ | 小規模店舗の壁面看板 |
| 1,800mm × 900mm | 1.62㎡ | 一般的なサイズの壁面看板 |
| 3,000mm × 800mm | 2.40㎡ | 間口3mの店舗のファサード看板 |
| 4,000mm × 1,000mm | 4.00㎡ | 間口4mの店舗のファサード看板 |
| 600mm × 900mm(袖看板) | 0.54㎡ | 突き出し看板。両面の場合は片面で算定するか要確認 |
| A型スタンド看板 | 約0.5〜1.0㎡ | 店頭に置くタイプ |
| のぼり旗(600×1800) | 約1.08㎡ | 1本あたり |
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この表を見ていただくと分かりますが、小規模な店舗であれば、10㎡というのは意外と余裕のある数字です。間口4mのファサード看板が4㎡、袖看板が0.54㎡、スタンド看板が1㎡。ここまでで約5.5㎡なので、まだ半分近く残っています。
逆に禁止地域の5㎡だと、この構成でぎりぎりです。禁止地域では、のぼり旗を何本も立てると簡単に超えます。
面積の算定方法は必ず確認してください
看板の面積をどう測るかには、いくつかの考え方があります。切文字のように文字だけが独立している場合、文字の面積を合計するのか、文字全体を囲む外周の矩形で測るのか。また、両面表示の袖看板を片面で数えるのか両面で数えるのか。
これらは自治体の運用によって異なります。ぎりぎりの面積で計画される場合は、必ず事前に窓口で算定方法を確認してください。当社にご依頼いただく場合は、この確認も含めて対応します。
最大の落とし穴は「合計」であること
ここを見落とすと、知らないうちに違反状態になります。
判定するのは1枚ずつの面積ではなく、その場所に出しているすべての広告物の面積の合計です。福岡市のQ&Aにも「自家用広告物を含む全ての広告物の面積の合計」と明記されています。
合計に含まれるもの
- 壁面のファサード看板
- 突き出し看板(袖看板)
- 自立看板・ポールサイン
- ウィンドウサイン(窓の内側から外に向けて表示するものも含みます)
- スタンド看板・A型看板
- のぼり旗(本数分すべて)
- 店頭幕・タペストリー
- 壁面に貼ったポスターや掲示物
現場から一言
開業のご相談では、最初にこの合計を計算します。「メインの看板は小さいから大丈夫」と思っていても、のぼり旗を5本立てた時点で5㎡を超えることがあるからです。
とくに後から追加されるケースが多い。開業時は看板1枚だけだったのに、半年後にのぼりを足し、1年後にスタンド看板を置き、気づいたら上限を超えている。この状態で行政の指導が入ると、どれかを外すことになります。
だから最初の段階で「将来これも足すかもしれない」まで含めて設計しておくべきです。余白を残しておけば、後から自由に動けます。
許可が不要でも、守らなければならないこと
「許可不要」は「何をしてもいい」という意味ではありません。ここを誤解されている方が多いので、はっきりお伝えします。
1. 表示できない場所があります
電柱、街路樹、信号機、道路標識、橋、ガードレール。こうしたものには、面積にかかわらず広告物を表示できません。これらは「表示禁止物件」として条例で定められています。
2. 他の手続きは別途必要です
| 手続き | 必要になる場合 |
|---|---|
| 道路占用許可 | 突き出し看板など、道路上にはみ出す場合。屋外広告物の許可が不要でも、これは必要です |
| 道路使用許可 | 工事で道路を使用する場合(高所作業車の停車など) |
| 工作物確認申請 | 高さが4mを超える広告塔・広告板 |
| 貸主の承諾 | 賃貸物件の場合。外壁を共用部と定める契約もあります |
| ビルのサイン規定 | テナントとして入居する場合 |
3. 安全管理の責任は変わりません
許可の有無にかかわらず、看板が落下して人や車に被害を与えれば、設置者の賠償責任が問われます。取り付けの安全性、定期的な点検。この責任は許可不要の看板でも同じです。九州は毎年台風が通過しますので、とくに注意が必要です。
自治体によって基準が違います
ここは重要な注意点です。
屋外広告物の規制は、各自治体の条例で定められています。したがって、許可が不要になる面積の基準も自治体ごとに違います。
福岡市は10㎡(禁止地域は5㎡)ですが、福岡県内でも、市外の一部の市町では自家用広告物の基準が15㎡以内とされている例があります。数字が違えば、同じ看板でも許可の要否が変わります。
ネットで見つけた数字を、そのまま自分の物件に当てはめないでください
「屋外広告物 許可 不要 面積」で検索すると、いろいろな数字が出てきます。それらはどこかの自治体の基準であって、あなたの物件の基準ではありません。
とくに多店舗展開されている場合、店舗ごとに基準が違うことになります。ある店で問題なかった仕様が、別の店では許可が必要になる。これは実際によく起こります。
許可不要の範囲で作れる看板
では実際に、10㎡(または5㎡)の範囲でどんな看板が作れるのか。代表的な4つをご紹介します。
面積が限られているからこそ、素材と見せ方の選択が効いてきます。
アルミ複合板プレート看板
もっとも一般的で、費用も抑えられます。フルカラー印刷ができるので、店名だけでなく営業時間やメニュー、地図まで載せられます。限られた面積に情報を詰め込みたいなら、これが最有力です。板が健全なら表面のシートだけ張り替えて内容を変えられます。
アクリルプレート看板
透明感が出せる素材です。壁から数センチ浮かせて取り付けると、板の裏に影ができて上品に見えます。小さくても質感で勝負できるため、面積の制約があるときに向いています。屋内や庇の下での使用が得意です。
ステンレス切文字
文字やロゴの形だけを金属で切り出し、壁に直接取り付けます。板がないので背景は建物の壁のまま。面積を抑えながら、もっとも上質に見せられる方法です。20年以上もつため、長く使う社名表示に向いています。
カルプ文字
発泡素材の立体文字です。厚みを20〜50mmと出しても軽いため、壁から大きく飛び出した立体感で存在感を出せます。色も自由に選べるので、親しみやすい雰囲気を出したい業種に向いています。ステンレスより費用を抑えられます。

面積を抑えつつ目立たせる4つの方法
面積の上限があるということは、「大きくする」以外の方法で目立たせる必要があるということです。実務で使っている考え方をお伝えします。
1. 情報を減らして、文字を大きくする
同じ面積なら、載せる情報が少ないほど1文字が大きくなります。遠くから読めるかどうかは、看板の大きさではなく文字の大きさで決まります。
店名、業種、あとは電話番号かWebへの誘導。この3つに絞れば、小さな看板でも十分に機能します。逆に情報を詰め込むと、大きな看板でも何も伝わりません。
2. 素材の質感で勝負する
面積が小さいときこそ、素材が効きます。ステンレス切文字の金属の光沢や、アクリルを浮かせたときの影は、小さくても目に留まります。
安価な素材で大きく作るか、質感のある素材で小さく作るか。面積の上限がある以上、後者を選ぶ理由が生まれます。
3. 設置位置を高くする
同じサイズの看板でも、高い位置にあるほど遠くから見えます。面積を増やせないなら、視認距離を伸ばすという発想です。ただし高所への設置は施工費が上がり、高さ4mを超えると工作物確認申請も必要になります。
4. 立体と影を使う
平面の看板は、正面からしか認識されません。切文字を壁から浮かせる、カルプ文字で厚みを出す。立体にすると影が生まれ、斜めからでも存在が分かります。
面積の算定は表示面で行われるため、厚みは面積に影響しません。同じ面積でより目立たせる方法として、厚みは有効な手段です。
こんな場合は許可が必要です
逆のケースも整理しておきます。次に当てはまる場合は、面積にかかわらず、または面積を超えるため許可が必要になります。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 合計面積が上限を超える | 許可地域で10㎡超、禁止地域で5㎡超 |
| 他社の広告を表示する | 自家用広告物にあたりません。貸看板、テナント募集の他社広告など |
| 自分の敷地外に出す | 離れた場所への案内看板、野立て看板など |
| 都市景観形成地区にある | 地区ごとの独自基準が適用されます |
| 高さ4mを超える | 工作物確認申請も別途必要になります |
| 道路上にはみ出す | 道路占用許可が必要。屋外広告物の許可と別の手続きです |
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許可が必要な場合の具体的な手順、必要書類、手数料、オンライン申請の方法は福岡市の屋外広告物 許可申請のやり方にまとめています。
許可が要るかどうかの確認から、お手伝いします
物件の住所と、出したい看板のイメージをお知らせいただければ、その場所が禁止地域か許可地域か、計画している看板が許可不要の範囲に収まるかを確認します。許可が必要な場合は申請の代行まで対応します。デザインの作成から製作・施工まで自社で一貫対応。福岡県内はもちろん、九州エリアから全国どこでもお伺いします。
よくある質問
看板を出すのに許可が要らないのはどんな場合ですか?
福岡市の場合、自己の店舗や事務所に自己の名前・店名・商標・事業内容を表示する「自家用広告物」であれば、すべての広告物の面積の合計が10㎡以内のときに許可が不要です。禁止地域では5㎡以内になります。ただし面積の基準は自治体ごとに異なるため、福岡市以外では別の数字になります。物件の所在地の自治体にご確認ください。
看板1枚あたりの面積で判定されるのですか?
いいえ、合計で判定されます。福岡市の資料でも「自家用広告物を含む全ての広告物の面積の合計」と明記されています。ファサード看板、袖看板、スタンド看板、のぼり旗、ウィンドウサイン、店頭幕。その場所に出しているすべてを足した面積が対象です。1枚ずつが小さくても、数が増えれば上限を超えます。
のぼり旗も面積に含まれますか?
含まれます。しかも本数分すべてが加算されます。一般的なサイズののぼり旗は1本あたり約1㎡ですので、5本立てれば5㎡です。禁止地域であれば、のぼりだけで上限に達することになります。開業時は看板だけだったのに、後からのぼりを追加して気づかないうちに超過している、というケースは実際によくあります。
窓の内側に貼るウィンドウサインも含まれますか?
外から見える状態で表示されていれば、屋外広告物として扱われるため含まれます。「窓の内側だから対象外」という理解は誤りです。ガラス面に大きく店名やサービス内容を表示している場合、その面積も合計に加算されます。
許可が不要なら、何をしてもいいのですか?
いいえ。電柱、街路樹、信号機、道路標識、橋などの「表示禁止物件」には、面積にかかわらず広告物を表示できません。また突き出し看板で道路上にはみ出す場合は道路占用許可が、高さ4mを超える場合は工作物確認申請が別途必要です。賃貸物件であれば貸主の承諾も要ります。さらに看板の落下による賠償責任は、許可の有無に関係なく設置者が負います。
自分の駐車場に他社の広告看板を設置する場合はどうなりますか?
自家用広告物にはあたりません。自家用広告物は「自分の場所に、自分のことを表示するもの」なので、他社の広告を掲載する貸看板は対象外です。この場合は面積にかかわらず許可が必要になります。自分の土地だから自由、というわけではない点にご注意ください。
切文字の場合、面積はどう計算しますか?
算定方法は自治体の運用によって異なります。文字だけの面積を合計する場合と、文字全体を囲む外周の矩形で測る場合があり、どちらを採るかで結果が大きく変わります。両面表示の袖看板を片面で数えるか両面で数えるかも同様です。ぎりぎりの面積で計画される場合は、必ず事前に窓口で算定方法をご確認ください。
福岡市以外でも同じ基準ですか?
異なります。屋外広告物の規制は自治体ごとの条例で定められているため、許可不要となる面積の基準も自治体によって変わります。福岡県内でも、市外の一部の市町では自家用広告物の基準が15㎡以内とされている例があります。多店舗展開されている場合は、店舗ごとに基準が違うことになりますのでご注意ください。
面積が限られていますが、目立たせる方法はありますか?
あります。まず情報を減らして文字を大きくすること。遠くから読めるかは看板の大きさではなく文字の大きさで決まります。次に素材の質感を使うこと。ステンレス切文字の金属光沢やアクリルを浮かせた影は、小さくても目に留まります。また立体にして厚みを出すと、面積は変わらないまま影が生まれ、斜めからでも認識されるようになります。設置位置を高くして視認距離を伸ばす方法もあります。
許可が要るかどうか、調べてもらえますか?
対応します。物件の住所と、出したい看板のイメージをお知らせいただければ、その場所が禁止地域か許可地域かを確認し、計画している看板が許可不要の範囲に収まるかをご案内します。許可が必要な場合は申請の代行まで承ります。福岡県内はもちろん、全国の拠点網で各地の条例に対応しています。
まとめ
- 福岡市では、自家用広告物を含む全広告物の合計が10㎡以内なら許可不要(禁止地域は5㎡以内)
- 自家用広告物とは「自分の場所に、自分のことを表示するもの」
- 判定は1枚ずつではなく合計。のぼり旗もウィンドウサインも加算される
- 許可不要でも、表示禁止物件への表示はできない
- 道路占用許可や工作物確認申請は、別途必要になる場合がある
- 面積の基準は自治体ごとに違う。県内でも15㎡の市町がある
- 面積が限られるときは、情報を減らし、素材の質感と立体感で勝負する
許可不要の範囲に収められれば、申請の手間も手数料も審査の待ち時間もなくなります。オープン直前でも看板を設置できるようになるのは、開業準備において大きな意味があります。
ただし「合計」であること、そして自治体ごとに基準が違うこと。この2点を外すと、後から是正を求められることになります。物件が決まった段階でご相談いただければ、その場所で何ができるかをお伝えします。
許可の確認から、デザイン・製作・施工まで
その物件で許可が必要かどうかの確認、必要な場合の申請代行、そして看板のデザイン作成から製作・施工まで自社で一貫対応します。アルミ複合板、アクリル、ステンレス切文字、カルプ文字。すべて自社で製作しているため、限られた面積の中で最適な素材を中立にご提案できます。福岡県内から九州エリア、全国どこでもお伺いします。
出典・参考
- 福岡市「屋外広告物Q&A」
- 福岡市「屋外広告物の許可申請について」
- 福岡市屋外広告物条例・同施行規則
※本記事は2026年9月時点の公開情報をもとに作成しています。面積の基準、地域区分、算定方法、適用除外の条件は改正される場合があり、また自治体ごとに異なります。実際の設置にあたっては必ず所在地の自治体の最新情報をご確認ください。




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