最終更新:2026年9月/屋外看板の製作を手がける立場から、資源エネルギー庁「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」2026年4月改訂版をもとに作成
出力20kW以上の地上設置の太陽光発電所は、標識の掲示が義務です。大きさは縦25cm以上×横35cm以上、記載事項は9項目です。
工事開始後すぐに掲げ、売電が終わるまで残します。事業者や電話番号が変わったら、速やかに付け替えが必要です。
低圧の発電所を建てた、中古の発電所を買った、保守点検の会社を変えた。そんなときに必ず出てくるのが「標識」です。
ネットには2017年の制度開始当時の解説が多く残っていますが、ルールの根拠となる資源エネルギー庁のガイドラインは2026年4月にも改訂されています。また、標識は20年近く屋外に置かれるため、正しく作っても、文字が消えてしまえば掲示していないのと同じになりかねません。
この記事では、ガイドラインの原文をもとに義務の範囲と記載事項を整理し、屋外看板を作る立場から長期間読める状態を保つ作り方まで解説します。
この記事の内容

結論|標識で押さえる5つのこと
| 項目 | ガイドラインで決まっていること |
|---|---|
| 対象 | 出力20kW以上の太陽光発電事業者。屋根置きなどは不要 |
| 大きさ | 縦25cm以上×横35cm以上 |
| 材質 | 風雨で劣化・風化して文字が消えることがない適切な材料 |
| 記載事項 | 区分、名称、設備ID、設置場所、出力、認定事業者名、保守点検責任者名、連絡先、運転開始年月日の9項目 |
| 場所と期間 | 発電設備か柵塀の外側から見えやすい場所に、工事開始後速やかに掲げ、売電期間が終わるまで |
見落としやすいのは「変更したら付け替え」です
ガイドラインには、事業者の変更や連絡先(電話番号)の変更を含め、掲示内容に変更があった場合は速やかに付け替えることが明記されています。発電所の売買や保守会社の切り替えのときに、最も抜けやすいポイントです。
標識が必要な発電所・不要な発電所
対象は再エネ特措法の認定を受けた発電設備です。出力と設置形態の2つで判断します。
| 発電所の例 | 標識 | 理由 |
|---|---|---|
| 野立ての低圧発電所(出力20kW以上) | 必要 | 出力20kW以上の事業者は掲示が義務 |
| 高圧・特別高圧のメガソーラー | 必要 | 同上 |
| 工場や倉庫の屋根の上の発電設備 | 不要 | 屋根置き等は、緊急時に連絡すべき相手(建物の所有者等)が明らかなため |
| 野立てで出力20kW未満 | 義務の対象外 | できる限り事業情報を掲示することが望ましいとされている |
| 住宅の屋根の太陽光 | 不要 | 屋根置きで、出力も20kW未満 |
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20kW未満でも、柵塀の対策は別に確認してください
標識には「出力20kW以上」という基準がありますが、柵塀等の設置には、ガイドライン上この出力の基準が書かれていません。屋根置きや塀つきの庭など、第三者が容易に近づけない設置形態を除き、柵塀等が求められます。
また、市町村の条例で独自の届出や手続きを定めている場合もあります。発電所のある自治体の案内もあわせて確認してください。
記載事項9項目と書き方
ガイドラインが定める記載事項は次の9つです。基本は「認定の内容と同じことを書く」と覚えておくと間違えません。
| 記載事項 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 発電設備の区分 | 太陽光発電設備 | — |
| 2. 発電設備の名称 | 認定を受けた発電所の名称 | 通称ではなく、申請時の名称に合わせる |
| 3. 設備ID | 認定時に付与された設備ID | 1文字違うだけで照合できなくなるため、認定の通知からそのまま転記 |
| 4. 発電設備の設置場所 | 発電所の所在地 | 地番表記など、認定上の表記に合わせる |
| 5. 発電設備の出力 | 認定上の出力 | パネルの合計容量と混同しないよう、認定の内容を確認 |
| 6. 認定事業者名 | 発電事業者の名前 | 法人の場合は名称と代表者氏名 |
| 7. 保守点検責任者名 | 保守点検を行う者の名前 | 法人の場合は名称と代表者氏名 |
| 8. 連絡先 | 電話番号 | 少なくとも、認定事業者か保守点検責任者のどちらかの電話番号が必要 |
| 9. 運転開始年月日 | 運転を開始した日 | 工事中に掲げる段階での書き方は、認定を受けた窓口の案内で確認 |
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記入例
架空の発電所で書いた例です。実際の標識は、必ず認定の内容をそのまま転記してください。
| 記載事項 | 記入例 |
|---|---|
| 発電設備の区分 | 太陽光発電設備 |
| 発電設備の名称 | ○○第二太陽光発電所 |
| 設備ID | (認定の通知に記載された設備IDをそのまま) |
| 発電設備の設置場所 | 福岡県○○市○○町大字○○ ○○番地 |
| 発電設備の出力 | ○○.○kW |
| 認定事業者名 | 株式会社○○エナジー 代表取締役 ○○ ○○ |
| 保守点検責任者名 | 株式会社○○メンテナンス 代表取締役 ○○ ○○ |
| 連絡先 | 0120-○○○-○○○(保守点検責任者) |
| 運転開始年月日 | 20○○年○月○日 |
読みやすいレイアウトのコツ
看板屋がすすめる配置
- 連絡先の電話番号をいちばん大きく。標識を見る人が最も必要とするのは連絡先です
- 電話番号の横に、それが事業者の番号か保守点検責任者の番号かを書き添える
- 項目名と内容を表の形にして、行ごとに区切る
- 背景は白、文字は黒などの濃い色にして、色あせても読める配色に
- 設備IDなど英数字は、0とO、1とIが見分けやすい書体で
現場から一言
標識の製作でいちばん気を使うのは、設備IDと電話番号の転記ミスです。どちらも数字と英字の羅列なので、手入力すると間違いに気づきにくいのです。
ご注文時は、認定の通知や申請画面の内容をコピーして貼り付けたデータでいただくのが確実です。校正の段階でも、元の書類と1文字ずつ照らし合わせてください。
大きさ・材質・掲示場所のルール
| ルール | ガイドラインの内容 | 実務での目安 |
|---|---|---|
| 大きさ | 縦25cm以上×横35cm以上 | 9項目を読める文字の大きさで入れるなら、最小寸法より一回り大きいサイズが読みやすい |
| 材質 | 風雨により劣化・風化し文字が消えることがない適切な材料 | アルミ複合板などの硬い板に、紫外線対策をした印刷 |
| 掲示場所 | 発電設備又は柵塀等の外側から見えやすい場所 | 道路側や出入口の近く。雑草に隠れない高さに |
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ラミネートされた紙や、屋内用のシールを貼っただけのものは、「文字が消えることがない適切な材料」とは言いにくいため避けてください。
いつ掲げて、いつまで残すか
-
工事が始まったら速やかに掲げる
土地の開発・造成の工事開始後、造成がない場合は発電設備の設置工事の開始後、速やかに掲示します。完成してからではありません。
-
内容が変わったら付け替える
事業者の変更、保守点検責任者の変更、電話番号の変更など、掲示内容に変更があれば速やかに付け替えます。
-
売電期間が終わるまで残す
再エネ特措法にもとづいて売電を行っている期間が終了するまで掲示を続けます。
つまり標識は、工事中の雨風から、長い売電期間の終わりまで屋外に置かれる看板です。この期間の長さが、次の章の「作り方」に直結します。
柵塀と「立入禁止」の表示
ガイドラインでは、柵塀等について構内に容易に立ち入ることができない高さ・構造にし、第三者が容易に取り除けないものを用いることが求められています。例として金網フェンス等が挙げられています。
柵塀まわりで確認したいこと
- 第三者が簡単に乗り越えたり、取り外したりできない柵塀か
- 出入口に施錠をしているか
- 外部から見えやすい位置に「立入禁止」の表示を掲げているか
- 標識が柵塀の外側から読めるか
「立入禁止の表示を掲げる等の対策」は、ガイドラインに対策の例として書かれています。標識と立入禁止の表示は、同じ素材でまとめて作っておくと、劣化の具合もそろい、交換の時期を管理しやすくなります。
標識がないとどうなるか
ガイドラインで遵守を求められている事項に違反した場合、認定基準に適合しないとみなされ、再エネ特措法にもとづく措置の対象になります。
| 措置 | 根拠(再エネ特措法) |
|---|---|
| 指導・助言 | 第12条 |
| 改善命令 | 第13条 |
| 認定の取消し | 第15条 |
| 積立命令 | 第15条の6 |
| 返還命令 | 第15条の11第1項 |
2021年度からの認定申請では、標識と柵塀等の設置を約束する宣誓書の提出も求められています。「設置したつもりが、文字が読めなくなっていた」「事業者が変わったのに古いまま」という状態も、掲示内容の管理として見直しておきたいところです。
20年読める標識の作り方
ここからは屋外看板を作る立場からの話です。太陽光発電所の標識は、看板にとってかなり厳しい環境に置かれます。遮るもののない日射、雨、台風、そして長い掲示期間です。
| 劣化の原因 | 起きること | 作るときの対策 |
|---|---|---|
| 紫外線 | 印刷の色があせ、細かい文字から読めなくなる | UVカットのラミネート加工。文字は黒など濃い色で、最小限の大きさより大きく |
| 雨・湿気 | 紙や屋内用シートは波打ち、はがれる | アルミ複合板など水に強い硬い板を使う |
| 風・台風 | 固定が外れて落下、板が曲がる | 四隅を含めて複数点で固定。フェンスには専用の金具を使う |
| 固定具の劣化 | 樹脂製の結束バンドが紫外線で劣化して切れる | 結束バンドだけに頼らず、ステンレス製の金具や番線で固定 |
| 草木 | 雑草やつる草で標識が隠れる | 地面から離れた高さに設置し、除草のたびに見える状態か確認 |
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素材の選び方
| 素材・加工 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| アルミ複合板+インクジェット印刷+UVカットラミネート | 軽くてさびず、費用を抑えやすい。記載内容が変わったときに作り直しやすい | 低圧の発電所、事業者や保守会社が変わる可能性がある発電所 |
| 金属板のエッチング銘板 | 文字を腐食加工で彫り込むため、印刷より文字が消えにくい。費用は高め | 記載内容が長く変わらない前提の発電所 |
アルミ複合板の屋外での持ちはアルミ複合板看板の耐用年数、印刷の色あせの目安は看板の色あせと張り替え時期で詳しく解説しています。
現場から一言
発電所の標識の作り直しでいただくご相談で多いのは、「文字が薄くなって電話番号が読めない」というものです。標識があっても、緊急時に連絡先が読めなければ役目を果たせません。
おすすめは、定期点検のたびに標識の文字と固定具も点検項目に入れておくことです。印刷のデータを保存しておけば、同じ内容ですぐに作り直せます。
発電所を買った・保守会社を変えたときの確認
中古の発電所の購入や、保守点検の契約の切り替えでは、書類上の手続きは済んでも、現地の標識が前の会社のままになりやすいので注意してください。
変更があったときのチェックリスト
- 認定の変更手続きとあわせて、標識の「認定事業者名」を新しい事業者に変えたか
- 保守点検の会社が変わったら、「保守点検責任者名」と「連絡先」を変えたか
- 電話番号が、夜間や休日の緊急時にもつながる番号になっているか
- 文字がかすれていないか、固定具が傷んでいないか
- 立入禁止の表示や柵塀の施錠も、引き継ぎ時に確認したか
20kW未満でも標識を掲げたほうがいいケース
20kW未満は義務の対象外ですが、ガイドラインではできる限り事業情報を掲示することが望ましいとされています。とくに次のような場所では、掲げておくと安心です。
| 場所 | 掲げておく理由 |
|---|---|
| 住宅地や通学路の近く | 異常に気づいた住民が、すぐに連絡先を知ることができる |
| 所有者が遠方に住んでいる | 現地に誰もいなくても、保守点検の会社に連絡が届く |
| 道路や隣地との境界に近い | パネルの破損や草木の越境などを、周辺から伝えてもらいやすい |
標識を通販で作る
太陽光発電所の標識は、記載内容を決めて注文し、フェンスに自分で取り付けられる看板です。発電所が遠方にあっても、通販で製作して現地に届けられます。
よくある質問
太陽光発電の標識は義務ですか?
再エネ特措法の認定を受けた出力20kW以上の太陽光発電事業者は、標識の掲示が義務です。資源エネルギー庁の事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)で、発電設備の外部から見えやすい場所に、決められた項目を記載した標識を掲示することが求められています。屋根置きの設備は、緊急時の連絡先が明らかなため不要とされています。
20kW未満の太陽光発電に標識は必要ですか?
出力20kW未満は、再エネ特措法上の掲示義務の対象外です。ただしガイドラインでは、周辺地域と共生した形で事業を行うために、できる限り事業情報を掲示することが望ましいとされています。柵塀等の設置には標識のような出力の基準が書かれていないため、別に確認してください。
太陽光発電の標識のサイズは?
縦25cm以上×横35cm以上です。材質は、風雨により劣化・風化して文字が消えることがない適切な材料を使うことが求められています。9項目を読みやすい文字の大きさで入れるなら、最小寸法より一回り大きいサイズで作ると見やすくなります。
太陽光発電の標識に書く内容は?
発電設備の区分、発電設備の名称、設備ID、発電設備の設置場所、発電設備の出力、認定事業者名、保守点検責任者名、連絡先、運転開始年月日の9項目です。認定事業者名と保守点検責任者名は、法人の場合は名称と代表者氏名を書きます。連絡先は電話番号で、少なくとも認定事業者か保守点検責任者のどちらかの電話番号が必要です。
太陽光発電の標識はいつまでに設置すればいいですか?
土地の開発・造成の工事を始めたら速やかに、造成を行わない場合は発電設備の設置工事を始めたら速やかに掲示します。発電所の完成後ではありません。掲示は、再エネ特措法にもとづいて売電を行っている期間が終了するまで続けます。
中古の太陽光発電所を購入したら標識は変更が必要ですか?
必要です。ガイドラインでは、事業者の変更や連絡先(電話番号)の変更を含め、掲示内容に変更があった場合は速やかに標識を付け替えることとされています。認定の変更手続きとあわせて、認定事業者名、保守点検責任者名、連絡先を新しい内容にしてください。
太陽光発電の標識の連絡先は携帯電話の番号でもいいですか?
ガイドラインでは連絡先を電話番号とすることが求められており、携帯電話の番号を除く定めは見当たりません。標識の連絡先は、発電設備の異常や事故のときに周辺の人が連絡するためのものです。担当者の交代で使えなくなる個人の番号より、緊急時に確実につながる番号を載せてください。
太陽光発電の標識を設置しないとどうなりますか?
ガイドラインで遵守を求められている事項に違反すると、認定基準に適合しないとみなされ、再エネ特措法にもとづく指導・助言、改善命令、認定の取消し、積立命令、返還命令などの措置の対象になります。2021年度からの認定申請では、標識と柵塀等の設置を約束する宣誓書の提出も求められています。
まとめ
- 出力20kW以上の太陽光発電事業者は標識の掲示が義務。屋根置きは不要
- 大きさは縦25cm以上×横35cm以上、文字が消えない材料で
- 記載事項は区分・名称・設備ID・設置場所・出力・認定事業者名・保守点検責任者名・連絡先・運転開始年月日の9項目
- 連絡先は電話番号。事業者か保守点検責任者の少なくともどちらか
- 工事開始後すぐに掲げ、売電期間が終わるまで残す
- 事業者・保守会社・電話番号が変わったら速やかに付け替え
- 柵塀の出入口は施錠し、立入禁止の表示も
- 長く読める標識には、UVカットのラミネートと複数点での固定
標識は、発電所の近くに住む人や通りがかった人が、異常に気づいたときに連絡するための看板です。義務だから掲げるだけでなく、読める状態を保つことまでが事業者の役割だと考えておくと安心です。
太陽光発電所の標識、作成も作り直しも
記載内容をお知らせいただければ、アルミ複合板にUVカットラミネートを施した標識を製作し、発電所の所在地へお届けします。複数の発電所の標識をまとめて作りたい、色あせた標識を作り直したいといったご相談もどうぞ。福岡の看板製作・施工を拠点に、看板の取り付けも全国で対応しています。
出典・参考
※本記事は2026年9月時点で資源エネルギー庁が公開しているガイドラインをもとに作成しています。ガイドラインは改訂されることがあるため、最新版をご確認ください。個別の発電設備が対象になるか、認定の変更手続きが必要かは、認定を受けた窓口にご確認ください。素材や劣化に関する記述は一般的な目安で、設置環境によって変わります。




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